
TRUNK 通常盤
HYCK-10003
Release 2004.07.14
Price 2,300- (TAX IN)
アルバムタイトルの『TRUNK(トランク)』は「(木の)幹」という意味。
これからのHYの「幹」になるアルバムという思いが込められています。
沖縄に住んでいる音楽好きな20代に入ったばかりの若者にとって、100万枚という数字がどういうものか。「TRUNK」は、初めて経験する試練となった。
2004年7月14日発売。3月から始まったレコーディングは東京と山梨の二カ所。富士山の見えるスタジオでの合宿も含め、沖縄を離れたレコーディングは初めての試みだった。
「100万枚のプレッシャーはありました。精神的に病んでいた時期もあった」。名嘉俊は、この時のインタビューでそう言っている。仲宗根泉ですら「いつもはみんなを見守れるんだけど、今回はいっぱいいっぱいでピリピリしていた」と言った。スタッフも含めて誰もが「あの時は大変だった」と回想するレコーディングだった。
TRUNKという言葉には“幹”という意味がある。樹の幹、胴体、幹線、大動脈という意味もある。
音楽の幹。メロディと言葉、そこに託した想い。リズムやビートがどう変わろうと音楽の根底に流れている揺るぎないものをどう伝えるか。「TRUNK」は、初めの試行錯誤の中でそこに到達したアルバムだった。「沖縄で煮詰めた曲をもっと完璧にしようと思った」。というのは新里英之の言葉だ。
名嘉俊の高校時代の経験が基になったという「てがみ」、9.11のニューヨークのテロに感じたことである「涙」、「ささくれ」は「精神的に病んでいた時」に書いた曲だ。新里英之の「弱虫」は、成人式で自分の出た小学校・中学校で講演した時に思ったことだという。伝えたい気持ち、残したい想い。初めて雪を見たときに「初雪」が生まれた。五人で作り上げたにもかかわらず一人の人間が綴っているような気持ちの流れ。ヘビーなロックは「DADA」のみ。ツインボーカルが心地良い「すてきなキッカケ」や仲宗根泉の「Song for…」はポップスのスタンダードの可能性だ。
沖縄色が薄まった中で特筆されるのが「そこにあるべきではないもの」だ。三線を交えた軽いレゲエ。音楽と自然を愛する沖縄の人達が暮らしの中に持っている優しさ。全体が広い意味でのラブソングと言えるだろう。
「Street Story」後にあったミクスチャー路線の延長を予想を裏切ったアルバムは、インディーズ初の2作連続1位を記録。大地にしっかりと根を張る幹となった。
